いつか・・・・・きっと・・・ |
登場人物 |
1 |
あさひ |
「桜から手紙が届いた・・・・携帯電話のメールで済むご時世なのに あいつはいつも手書きの手紙だった・・・・・」 |
2 |
さくらM |
「拝啓、あさひ様・・・」 |
3 |
あさひ |
「あいつは病弱で入退院を繰り返していた・・・・」 |
4 |
さくらM |
「今日も暑い(汗)・・・病気を治すために福島から福岡に転院して 1年・・・・・」 |
5 |
あさひ |
「あいつとは小学生からの腐れ縁だった・・・・・恋人・・・ そんな感情はなかったかもしれない・・・居て当たり前の存在・・・」 |
6 |
さくらM |
「こっちの病院に来ていろいろな事があったよ。」 |
7 |
あさひ |
「1年会わなくてあいつの存在を改めて考えなおす今日この頃・・・」 |
8 |
さくらM |
「この間ね、小児科に8歳の女の子がきたの・・・その子が 私の病室に迷い込んでね・・・色々話したんだぁ・・・・・」 |
9 |
あさひ |
「会えばいつもくだらない事を話し合っていた・・・・ それに満足していた自分・・・・・」 |
10 |
さくらM |
「その子は心臓が悪くて手術を受けるんだって・・・・・・ でね、早く直して元気になって友達と遊ぶんだって。 ・・・・・・・私ね・・・・すごく苦しかった・・・・・入退院を繰り返すようになって ナーバスになってた・・・・なんでこんなに苦しまなきゃいけないんだろうって ・・・・・なんで私だけがこんな目にって・・・・・」 |
11 |
あさひ |
「あいつの苦しみも理解してやれなかった・・・・」 |
12 |
さくらM |
「でもこんな小さな子もがんばってるのを見て、 生きたいと思った・・・・・」 |
13 |
あさひ |
「あいつは昔からいろいろと抱え込む性格だったけど それをすべて解決できる心の強さも持っていた・・・・・」 |
14 |
さくらM |
「・・・・・私・・・・癌だって・・・・・・」 |
15 |
あさひ |
「でも・・・すべてを抱え込む事はあいつにとってすごくつらい事だったろう」 |
16 |
さくらM |
「怖い・・・・でもあの子をみて戦ってみようと思う・・・・ 苦しんでるのは私だけじゃないから・・・・・」 |
17 |
あさひ |
「あいつと一緒に病気と戦えたなら・・・・」 |
18 |
さくらM |
「私生きるよ・・・・そしてあさひに会いたい・・・・」 |
19 |
あさひ |
「俺も・・・・会いたい・・・・」 |
20 |
さくらM |
「あさひは、じめじめした事は私に似合わないって言ったよね?」 |
21 |
あさひ |
「あいつはいつも明るかった・・・・ いや明るく振舞おうとしていた・・・・」 |
22 |
さくらM |
「だからもう弱音は吐かない・・・・・」 |
23 |
あさひ |
「強がらなくていいんだ・・・泣きたいときは泣けば良い・・」 |
24 |
さくらM |
「病気を克服したらあさひに最初に会いたい・・・」 |
25 |
あさひ |
「いつでも戻っておいで・・・その時はちゃんと自分の今の気持ちをいうよ・・・」 |
26 |
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〜間〜 |
27 |
あさひ |
「さくらが死んだのはこの手紙が届いた10日後だった・・・ 病状が急変したらしい・・・その知らせを聞いたつぎの日、 さくらからまた一通の手紙が届いた・・・ 消印はさくらが死んだ前日だった」 |
28 |
さくらM |
「あさひ、また手紙書いちゃった♪・・・あさひと話していたい・・・ 友達と買い物したい・・・ 楽しい日々を過ごしたい・・・・ 早く病気治らないかな?・・・ 当たり前の事を当たり前のように・・・私・・ いつか・・・きっと・・・できるようになるよね?・・そして・・」 |
29 |
あさひ |
「いつか・・・きっと・・・」 |
30 |
さくらM |
「また、会えるよね?・・・」 |
31 |
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〜THE END〜 |